主訴
来院の2週間前に、バッカルファット除去術を行った際、唾液腺を損傷し唾液が漏出したため、顔がひどく腫れました。
1週間程度で腫れは引きましたが、その後、顔の右側が徐々に動かなくなっていきました。
病院では、腫れによる顔面神経の圧迫が原因の麻痺と診断を受けました。
当院に来院された日からステロイド治療を開始されましたが、
- 右側の口角が動かない
- 睡眠時に口が閉まり切らず開いてしまうため、乾燥して咳き込む
- 頬に痺れとにぶさがある
- 目の乾燥によるかすみと涙目
といった症状がありました。
映像の仕事があり、笑顔が作れないと仕事にならないため、「このまま治らないのではないか」と強い不安を感じていました。
病院での治療と同時にできるものをと調べ、当院のホームページにあった顔面神経麻痺の施術前後の動画を見て、来院されました。
施術内容と経過
1回目
ヒアリング時に歯ぎしりの習慣と、食事を右側で噛むことを確認したため、右のアゴを触診したところ、強いコリがありました。
腫れが引いた後に麻痺が発症したため、圧迫だけが原因ではないと仮定して施術を開始。
アゴのコリを緩めるため、手のツボに鍼施術を行いました。
4回目
少しずつまぶたが動くようになり、それに伴い、涙目になる頻度が少なくなってきました。
口角の動きはまだ左右差がありました。
今回から首のコリを緩めるために、腕にあるツボに鍼施術を行いました。
7回目
まぶたが左右差なく閉じることができるようになり、涙目になることが全くなくなりました。
口角も動くようになってきましたが、笑顔になった時はまだ左右に差がありました。
11回目
仕事で撮影した笑顔の写真を見て、麻痺があることがわからないほど自然に表情を作れていたとのことでした。
しかし、自覚的には口角周辺にこわばりを感じていました。
14回目
仕事中に顔面神経麻痺のことを考えることがなくなりました。
口角のこわばる感覚もなくなり、どんな表情を作っても違和感なくできている状態になったため、施術を終了としました。
主に使用したツボ
顎門R 枕柱R 阿海羽R
考察
外科手術での唾液腺損傷による腫れが、顔面神経の圧迫を引き起こし麻痺が発症しました。
しかし、腫れが引いた後に麻痺が発症したため、圧迫だけでなく、損傷部位周辺の筋肉が守ろうとする働きからコリが出現したことも原因であると仮定して施術を行いました。
今回は、元々の歯ぎしりの習慣がコリを助長させ、顔面神経を圧迫していたケースであると考えられます。
お困りの方はお気軽に当院へご相談ください。
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