30代女性 ラムゼイ・ハント症候群による顔の麻痺を早期に改善した症例

主訴

来院の3週間前に右の耳と後頭部が痛くなり、その2日後に耳に水疱ができたため、病院で帯状疱疹と診断されました。
耳と後頭部に痛みが出てから1週間後に、顔の右側が動かなくなったため、再び病院を受診し、「ラムゼイハント症候群」と診断されました。

病院で1週間入院し、ステロイド点滴の治療を受けましたが、来院時は顔の右側が動いておらず、発症当時から症状は変化がない状態でした。

  • 口から水がこぼれる
  • 食事中に口を噛む
  • 喋ると口が歪む
  • 目が閉じられないため乾く

といった症状で困っており、人前でプレゼンテーションをすることが多いため、「このままだと人前に出れず、仕事を続けられない」と思いつめていました。

病院での治療が終わってしまい困り果てていたところ、友人から鍼灸を勧められ当院を見つけました。

ホームページでラムゼイハント症候群が3週間で良くなったという症例を見て、自分もそうなれるかもしれないと希望を抱き来院されました。

症状の該当箇所のイラスト

施術内容と経過

1回目

  • 施術の写真
  • 施術の写真

顔面神経麻痺の改善に必要な、首とアゴを触診したところ、強いコリが確認できました。
手足のツボに鍼施術を行ったところ、即座にまぶたが閉じやすくなりました。

2回目

顔の動きを確認すると、前回に比べまぶたと眉が改善していましたが、「イー」の動きに変化がみられませんでした。
顔面全体へのアプローチをしつつ、頬への施術を強めるため、頬と関連のある骨盤の筋肉の強いコリに鍼施術を行いました。

3回目

まばたきは左右差なくできるようになりました。
眉の動きも大きく動かせるようになっています。
前回までできなかった口の「イー」の動きができるようになりました。
あと少し左右差がなくなれば、笑顔が作れると言われていました。

引き続き2回目と同様の施術を行いました。

4回目

口から水がこぼれることもなくなりました。
喋った時の口の歪みは、言われないと気づかれないほど左右差が少なくなりました。

5回目

笑顔になった時も口角があがるようになり、不自然さが目立たないほどまで回復しました。
まぶたの動きは、自覚・他覚共に完全に回復しました。
1週間後から正式に職場復帰が決まり、仕事に対して抱いていた不安はほとんどなくなりました。
以降は、コロナウィルスの影響による自粛で、本人の意思で通院を中断しました。

主に使用したツボ

眼涼R 殿稜R 顎中R

考察

顔面神経麻痺を治すために仕事を休職し、当院の施術を並行して行った結果、早期改善につながりました。

ご本人が休職という決断をすることで、8時間の睡眠時間を確保し、それが麻痺改善の助けになったことは間違いありません。

顔面神経麻痺という病気は、睡眠不足からも発症リスクが高まります。
この症例を見ている人には、改めて睡眠の重要性を理解してもらいたいと考えます。

お困りの方はお気軽に当院へご相談ください。

はりきゅうルーム岳 代々木上原院