顔面神経麻痺の専門家が教える、イチオシのセルフケア法

病院では顔面神経麻痺のリハビリとして、「顔のマッサージ」「顔の運動」が主です。

麻痺を後遺症無く回復させることにおいて、病院から教わるものを含めるといくつかあるけど…

一番のオススメのセルフケアは、蒸しタオルで温めるです!

 

 

 

◆蒸しタオルの作り方

①適度な大きさ(後ほど袋やレンジを使うのでそれらに入る程度のものです)のタオルを水で濡らします。IMG_3702

②水が滴らないようにタオルを絞り、少し厚地のビニール袋に入れ封をします。加熱するので溶けないものを使用してください。(ジップロックが使いやすいです!)

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③レンジに入れて加熱します。(レンジの出力とタオルの大きさにより加熱時間は異なります。)

これだけです。

袋に入れて封をするのが冷めにくくするためのコツです!

10分程度は温度を保てます。

レンチンが終わったらあとは温めるだけ!

症状がある側に蒸しタオルを当ててしっかり温めてください。

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イメージは麻痺を起こしてしまっている顔面神経にたくさんの血液で栄養させる感じです。

 

◆顔のマッサージはどうなの?

マッサージは筋肉の血流をよくします。ここが大切なところなのですが、麻痺は顔の筋肉が悪いのではありません。神経に問題が起こってしまっているために、神経を回復させる方法が必要なのです。

強すぎるマッサージをすると筋肉を傷つけてしまい逆効果になることもあります。当院にいらっしゃる方で、よくある間違いを例に上げて紹介していきます。

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上の写真のやり方は、皮膚が大きくよれているのがわかるかと思いますが、これは強くマッサージをしすぎです。指先で行うマッサージは負荷が大きく、麻痺で弱った筋肉を傷つけてしまうリスクがあります。

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上の写真は皮膚もよれていませんし、面積の広い手のひらでやっていますので、筋肉に傷をつけるリスクは少なくてすみます。「揉む」では無く、「さする」くらいで良く、物足りないくらいがちょうどいいと思って行なってください。

 

◆顔の運動はどうなの?

病院では「顔をよく動かしてください」という指導がされる事があります。

これは8〜9割改善してきた段階では効果があります。

5割やそれ以下の段階では「共同運動」「顔の歪さ」を引き起こすリスクがあるのです。

  • 共同運動

共同運動とは意図して動かした部位と別の部位が同時に、意思とは関係なく動いてしまう後遺症のことです。

例えば、目をつぶると同時に唇がピクピク動いてしまう症状などがあります。

症状が回復していない段階で顔を動かすと、動かしやすい部位と動かしにくい部位のギャップが強いので違う筋肉の
動かし方を覚えてしまうことがあります。これが共同運動です。

  • 顔の歪さ(いびつさ)

顔の歪さは動かせる筋肉とそうでない筋肉の運動量に差がついてしまうため、筋肉量にも差ができてしまい起こります。
そうなると動かしやすい筋肉ばかり使ってしまうため、さらに筋量に差ができてしまうためますます歪になることがあります。

顔の運動は行うタイミング、量、内容が非常に難しくリスクが高いと考えています。

  • オススメは蒸しタオル!

はりきゅうルーム岳では前述した理由により、蒸しタオルでの加温がセルフケアで一番効果を期待でき、リスクもないために強くオススメしています。

可能であれば1日に数回温めるとより効果的です。

人の体は温めると自動的に血管が拡がるようにできています。血管が拡がればたくさんの血液を組織に送りこめるので、それだけたくさん栄養できます。

弱ってしまった顔面神経に対し、如何に栄養させられる環境を作るかが、少しでも早く症状が改善するための近道になりますのでぜひやってみてください!

 

まとめ

顔面神経麻痺は顔面神経をとにかく血液で栄養することが大切です。そのためには蒸しタオルで温めていくことが一番ローリスクで効果を期待できます。

マッサージをする場合は指先で皮膚がよれるほど強くはやらず、物足りないくらいで優しくやってください!

著者 我妻 樹(あづま いつき)

消防士を志すも怪我により挫折。

その頃に父親の知り合いの鍼灸師の方に出会いそれがきっかけで鍼灸師を志す。

2011年はり師・きゅう師の国家資格を取得。鍼灸整骨院で延べ50000人を施術する。

そこで院長を歴任し、運営やスタッフの指導を行う。

2019年に、はりきゅうルーム岳に入社し現在に至る。

はりきゅうルーム岳 代々木上原院